痔について
痔核の手術
◆痔核とは◆
痔のなかでもっとも多い症状。
便秘、下痢、いきみの繰り返しなど肛門に強い負担がかかることで、肛門を閉じる役割をするクッション部分が腫れ、大きくなると肛門から脱出する。直腸側のクッションが大きくなった内痔核と、肛門部分のクッションが大きくなった外痔核とがあるが、痔核とは通常、内痔核のことを指す。
◆痔核の手術◆
痔核には内痔核と外痔核があり、症状の程度によって治療の仕方が変わります。
内痔核・外痔核ともに、保存療法(生活環境を整える・薬の内服や座薬等を用いる)による治療が基本ですが、それでも治療が困難な場合は手術を行います。手術を必要とするのは、痔核の患者さんの1〜2割程度です。
★ジオン注射療法
「脱出を伴う内痔核」にジオンという薬を直接注射投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。知識や熟練した技術が必要なため、四段階注射法という手技を収得した専門医にのみ施行許可が与えられています。
★ゴム結紮療法
痔核の根元にゴム輪をかけて、徐々に締め付けて痔核を脱落させます。1〜2週間で痔核は取れます。
傷も残さずに処置が出来ます。痔核の大きさやできた場所によっては処置が不可能な場合もあります。
★痔核根治手術
痔核に血液を送っている血管を縛り(結紮)、痔核を切り取る手術です。痔核を切除したあとの傷口をそのまま開放しておく「開放法」と、その後に傷口を縫ってしまう「半閉鎖法」があります。
痔ろうの手術
◆痔ろうとは◆
肛門の皮膚と直腸粘膜のつなぎ目の弱い部分(歯状線)から下痢などが原因となり細菌が入り込み、肛門の周囲に膿が溜まった 状態を肛門周囲膿瘍という。この膿瘍が自然に破れるか、または切開することにより膿が排泄される。膿の排泄によりそのまま治癒してしまう場合もあるが、膿 の通った道が残ってしまうことがあり、この状態のことを「痔ろう」という。男性に多い痔で、ストレスやアルコール摂取による下痢などが原因であると考えら れている。
◆痔ろうの手術◆
肛門周囲膿瘍は、腫れている部分を切開し、膿を出します。また、ろう菅が残って痔ろうになった場合は根治術を行います。痔ろうは、ろう菅の伸びる方向によって4種類に分類されますが、もっとも多いのは「低位筋間痔ろう」と呼ばれるもので、痔ろうのほぼ6割を占めます。
当院の年間症例数
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
痔核 結紮術 | 3 | ー | 2 | ー | ー | ー | 1 | 1 | 2 | 5 |
痔核 根治術 | 4 | 2 | 2 | 5 | 6 | 2 | 17 | 9 | 3 | 2 |
痔核 硬化療法 | 5 | 5 | 7 | 12 | 10 | 1 | 37 | 27 | 13 | 6 |
痔瘻 手術 | ー | 2 | 1 | 2 | 4 | ー | 8 | 8 | 2 | 2 |